第80回日本オープンゴルフ選手権(2015年)
優勝カップを掲げる小平智(JGAホームページより転載)小平智が池田勇太の連覇阻んで初優勝
兵庫の六甲国際GC(7394ヤード、パー72)で行われた大会。第1ラウンドで話題を集めたのは、17歳の高校2年生、アマチュアの金谷拓実だった。その年の日本アマを史上最年少の17歳51日で制していた。インからスタートして、3バーディ、ボギーなしの3アンダーパー69をマーク。首位に3打差の8位につけた。「まずはローアマが目標。もちろん、優勝を狙います」(日刊スポーツ紙)と話した。
首位には6アンダーパーでジュビック・パグンサン(フィリピン)が立ち、1打差で永野竜太郎が続いた。
史上6人目の大会2連覇を狙う池田勇太は2打差3位グループにつけた。アダム・スコット(オーストラリア)と同組で回り「ずっとギャラリーでしたよ」(JGAHP)と笑いながらも、6番からの3連続バーディなど68で回った。「1打1打真剣にするのは当たり前、それをきちっとモチベーションにして戦えれば…」と手ごたえはありそうだった。
第2ラウンドでは、小平智が驚異的なスコアをたたき出した。1番から4連続バーディなどアウトを29で回り、インでは15番でボギーにしたが、16番から上がり3ホール連続バーディなどで33、この日10アンダーパー62をマークして、35位から一気に首位に立った。日刊スポーツ紙によると、同組のアマ金谷が7番からの3連続バーディなどでスコアを伸ばし、15番で小平がボギーにした時点で首位を譲った。「アマチュアに負けてらんねえでしょ」とプロの意地を見せた。
尾崎将司らが持つ大会最多アンダーパーを2打更新する10アンダーパーに「ものすごく集中できていたので、スコアは数えていませんでした。全てが、はまった。そういう1日でした。明日からも、この姿勢でプレーしていきます」(JGAHP)と話した。2打差でアマ金谷が続き、3打差で池田勇太が3位に浮上した。
第3ラウンド、最終組の1つ前で回った池田が連覇に向けていい位置につけた。最終組の小平が14番から3連続バーディ。その歓声に「よく聞こえるんよ。バーディ、バーディ、またバーディかってね。俺は10アンダーでカヤの外かって」(日刊スポーツ紙)と小平の勢いに押されていた。しかし、最終18番でピン手前14mのバーディパットがカップに飛び込んで、大歓声でお返し。通算11アンダーでホールアウトし「あのパットはなんか行けそうな気がした」と振り返った。
小平は14番から3連続バーディなどで一時2位に5打差をつけて独走態勢に入ったかに見えた。しかし、17番で3パット、最終18番ではバンカーにつかまり、連続ボギーで2位池田に2打差の通算13アンダーパーでホールアウトした。
前年は、最終日トップスタートの池田が優勝し、小平は2位に終わった。今回は小平がトップ、池田が2位と逆の展開になった。「最初はちょっとけん制し合うと思いますが、落ち着いてバタバタしないようにいって、後半に優勝できる準備をしていきたい。勇太さんとの最終組の直接対決は、相手が見えている状態でプレーできるので、そこは一緒に回れる方が大歓迎です」(JGAHP)と逃げ切りに自信を見せた。
最終ラウンドは最終組の小平と池田のマッチレースになった。JGAHPによると、ともにスコアの出入りが激しく、13番で小平がボギーとして通算12アンダーで2人が並んだ。15番で小平がバーディで13アンダーとリード。池田は17番でバーディを取って13アンダーで並んで最終18番ホールに入った。池田が第1打を左バンカーに入れ、グリーン手前30ヤードほどまで運んだが、アプローチで3m強と寄せきれなかった。一方の小平は第2打でピン奥約12mにオン。3打目で1mほどに寄せた。池田がパーパットを外した後、小平が決めた。
ウイニングパットを沈めた瞬間、派手な表現がなかったのは「ものすごくうれしかったけど、負けた人もいるわけで、あの瞬間は静かに幕を閉じたかった」と振り返った。並んで最終ホールを迎えたときの心境を聞かれ「プレーオフは考えていませんでした。自分がバーディを奪って優勝する。それだけです」。思い描いた決着ではなかったが、前年とは逆の結果をつかみ、自身が「これに出てこそゴルファー」という大会を制した。
大会を盛り上げたアマの金谷は、3アンダーパーで11位に食い込み、史上最年少17歳148日でローアマを獲得した。
(文責・赤坂厚)
プロフィル
小平智(こだいら・さとし)
1989(平元)年9月11日生まれ、東京都出身。元レッスンプロの父・健一さんの影響でゴルフを始める。駒場学園高校から日大に進んだが、QT受験のため2年で中退。プロ転向前の2010年にはACNツアー史上2人目のアマチュア優勝を飾っている。13年日本ゴルフツアー選手権でツアー初優勝を公式戦で飾った。15年日本オープンを制した後、17年には2勝を挙げて賞金ランク1位で最終戦を迎えたが、宮里優作に逆転されて惜しくも賞金王は逃した。18年に米ツアーRBCヘリテージでプレーオフの末、日本人選手5人目の米ツアー制覇を果たし、同ツアーに本格参戦。24年7月からは主戦場を日本に移している。日本ツアー通算8勝(2026年1月1日現在)。
第80回日本オープンゴルフ選手権
| 順位 | 選手名 | Total | Round |
|---|---|---|---|
| 1 | 小平 智 | 275 | = 71 62 70 72 |
| 2 | 池田 勇太 | 276 | = 68 68 69 71 |
| 3 | 宋 永漢 | 278 | = 69 69 69 71 |
| 4 | 黄 重坤 | 280 | = 68 68 72 72 |
| 5 | P・マークセン | 281 | = 70 70 72 69 |
| 6 | 片山 晋呉 | 282 | = 69 71 73 69 |
| 7T | A・スコット 金 庚泰 谷原 秀人 |
283 | = 70 70 74 69 = 70 72 69 72 = 69 71 70 73 |
| 10 | 李 京勲 | 284 | = 69 73 70 72 |








