第78回日本オープンゴルフ選手権(2013年)
優勝カップを掲げる小林正則(JGAHPより転載)小林正則が5日間の戦い制して初優勝
茨城・茨城GC東コース(7320ヤード、パー71)で行われた大会は、前日の指定練習日の朝9時ごろまで大型台風26号の接近による風雨に見舞われた。通過後にコース整備のため、遅れて練習ラウンドを開始する波乱の幕開けになった。
第1ラウンド、首位に立ったのは地元茨城県出身の片山晋呉。2005年、2008年に優勝していたが、このところは不振。JGAホームページ(HP)によると、前半2つ伸ばして折り返し、12番でボギーにしたが、18番でこの日6個目のバーディを奪って5アンダーパーの66をマークし、金亨成、甲斐慎太郎とともに首位に立った。
片山は前日のチャンピオンズディナー(歴代優勝者の夕食会)で、飾ってあった日本オープン優勝トロフィーを前に「最終ラウンドにこのトロフィーに触れることができるのは、僕だな」とつぶやいたという。言葉通りのスタートダッシュになった。
第2ラウンドは、最終予選会から出場の2人が上位に並んだ。最終予選会7位でギリギリ通過してきた野仲茂が、5アンダーパー66をマークして通算7アンダーパーで首位に立った。インで5バーディを稼ぎ「びっくりです。ティーショットが良くてパットが入ってと完ぺき」(日刊スポーツ紙)と話した。つかんだチャンスに「少しでも上位に残りたい」と話した。
1打差2位につけた甲斐は、最終予選会8位で出場権を逃した。しかし、すでに出場資格を持っていた片山が直近のコカ・コーラ東海クラシックに優勝したことで、大会前週に繰り上がりでの出場が決まった。第1ラウンドでその片山と首位に並んでスタートしたが、この日は出たり入ったりのゴルフで伸ばせていなかった。最終18番パー5で第2打をグリーンオーバーしたが、うまく寄せて1つ伸ばして通算6アンダーパーでフィニッシュ。これまで予選会から出場の優勝者は出ておらず、野仲とともに「新しい歴史をつくりたい」と意欲を見せた。
第3ラウンドで首位を奪ったのが、飛ばし屋の小田孔明。5バーディ、2ボギーの4アンダーパー67で回り、通算9アンダーパーとした。日刊スポーツ紙によると、ホールアウト後のインタビューで「このタイトルは死ぬ気で取りに行く」と言って、涙を流したという。2007年、2012年と優勝争いに加わったが、最終日に80をたたいて優勝を逃してきた悔しさを思い出した。3度目のチャンスをものにしたい気持ちが、涙になって表れた。
3打差2位につけたのは小林正則。日刊スポーツ紙によると、最終組で対決する小田とは東京学館浦安高の後輩という因縁があった。8番で10mのロングパットが入るなど「運もありました」と振り返り「日本オープンの最終日最終組はそうないと思いますので頑張ります」と話している。
最終ラウンドは降雨に見舞われた。12組24人がスタートしたが、8時37分に中断。10時30分に「天候回復の見込みがなく、コースコンディション不良のため、サスペンデッドとする」と決定された。最終ラウンドは予備日の翌日10月21日月曜日に再開されることになった。日本オープンで予備日を使用するのは、1976年、1992年についで3度目となった。
翌日、再開された最終ラウンド、小田はアウトで2ボギーとスコアを落とし、代わって1つスコアを伸ばした小林が1打差で首位に立って後半が進んだ。17番パー3で小田がボギーをたたいて2打差になっての最終18番パー5。JGAHPによると、小林は右のバンカーに入れ、残りがエッジまで226ヤード、ピンまで 240ヤード。刻むべきか、攻めるか迷ったが「なぜか3番アイアンを手にしていたんですよね。守って勝てたことがないんだから、4(バーディ狙い)でいこう」と決断したという。ハーフトップしたのが幸いしたのか、転がってピン奥の「ホールまで11歩」(小林)に2オン。1.2mに寄せてバーディで決着させた。
「孔明も必死にやっていたし、引っ張られたように、自分も必死にやろうと思っていました」と後輩に敬意を表し「「いやー、疲れました。そして、ホッとしました」と、会見の席で笑顔を見せた。
海外志向が強く、7月に結婚した夫人を伴って、この年はアジアンツアー9試合、欧州ツアー6試合を戦っている。欧州ツアーで取り入れたクロスハンドのパッティングが、この大会で生きた。優勝で日本ツアー5年シード権を獲得。「心置きなく、アジア、欧州ツアーにいけます」といい、全英オープンの出場権も獲得したと知って「え? ウソ! ほんと? 知らなかった。うれしいなあ」と大喜びをした。
(文責・赤坂厚)
プロフィル
小林正則(こばやし・まさのり)
1976年2月14日生まれ、千葉県出身。千葉・東京学館浦安高から日大に進み、1999年に日本ツアーデビュー。2000年には下部ツアー(チャレンジツアー)で2勝を挙げて賞金王になっている。2011年とおとうみ浜松オープンで石川遼をプレーオフで下して初勝利を挙げた。12年パナソニックオープンでは最終日62をマークして逆転優勝した。ツアー通算3勝。
第78回日本オープンゴルフ選手権
| 順位 | 選手名 | Total | Round |
|---|---|---|---|
| 1 | 小林 正則 | 274 | = 69 69 69 67 |
| 2 | 小田 孔明 | 277 | = 69 68 67 73 |
| 3T | J・パグンサン 金 亨成 片山 晋呉 金 庚泰 |
279 | = 71 69 71 68 = 66 72 72 69 = 66 71 72 70 = 69 69 71 70 |
| 7T | 薗田 峻輔 星野 英正 S・ストレンジ |
280 | = 68 70 72 70 = 70 69 70 71 = 73 68 67 72 |
| 10T | 黄 重坤 野仲 茂 |
281 | = 73 69 71 68 = 69 66 75 71 |








